オオカミの家 感想 (ネタバレあり)
バービーみにいきたいな〜とおもってるうちになんやかんやで全然行けてなくて、かかってる映画情報が全く入ってなかった グランツーリスモの映画版の予告はじめてみた気がするんだけど、なかなかアツそうだなとおもっちゃった ぱっと予告みただけだけど、ゲーム出身の主人公?がポルシェ919乗ってなかった? 先週のムービーウォッチメンがこの作品で、前知識全くなく、正直宇多丸さん評を聴いてみた気になるかーぐらいの温度感だったんだけど、評を聴くだに「これは行かねばならない!!!」というテンションになり、駆け込んだ ただ、この「行かねば」というのはポジ要素ゼロで、己を痛めつける修行に行かなくては、という「行かねば」
夜の首都高を流しながら聴いてたんだけど、途中からマジで気持ち悪くなってきて「オェ……みにいこ……」と そういえば、アトロクが時間移る時になんとなく誰が1人が欠けるのかなあ、とおもってたけどなんとなく山本さんの話しぶりからなんとなく結構ごっそりパートナー陣変わっちゃうもありえそうだなーとおもったりした さて、本編だが、これまでイカれたクオリティ(特にライカ)のストップモーションをいくつかみてきているので、「骨」はやや原初的というか、まあファウンドの設定として1901年につくられたということなのでわざとそうしてるんだろうけどどこかコミカルというか………なんかこう無邪気な感じなんだけど、出土した骨に対して魔法?儀式?っぽいのをして骨が肉付くんだけど、バラバラの骨がバラバラのまま肉付くので、それだけでも気色悪いが、それがこうマトモな位置で組成されないし、異物も取り込んじゃうしで気味が悪い そこから婚姻届…?のようなものを逆再生で書いて、結婚式?っぽいものをやる?んだけど、蘇らせた当人はパッと消えちゃって、真っ白の2人が取り残されましたとさ…おしまい……っていう
う、うん???
しかし、この「骨」はその後のオオカミの家の奇っ怪さに比べたらまだまだ序の口だったのである………
オオカミの家は、本当にみたことのない映像表現で、たぶんその実物大の部屋?の壁にペンキなのかなんなのかわからないけど、ダーッと描いて、それをコマ撮りで動かしていくというのがまずある
そこにキャンバスや時計、棚などを動かして、それもまたコマ撮りになってる
壁の絵が風船を膨らませると、それが物理の風船として現れるというシーンがなんか示唆的だなとおもったりした
そこへテープ?みたいなのをひたすら重ねて貼りまくっていって豚や人間などの造形が出来上がっていったり崩れていったりというのを70分延々と浴びる
もちろん前情報から察するに、語り手というか、この世界を幻出しているマリアというのがコロニーから脱走したヒトなんだろうということが察せられるわけだが、劇中では特に説明もないので想像以上になかなかなハイコンテクストな映画だった
なんとなく全体としてブクガの世界観にちょっと似てるなとおもうところがあった 繰り返し部屋やベッドのモチーフが出てくるあたりとか
大まかな話の流れとしては、脱走したであろうマリアが家を探し回った末に落ち着ける場所をみつけてブタを2匹飼い始めましたよ、と
よくわからないけどマリアには現実改変能力があり(?)(そもそもここがマリアの精神世界だから当然なのか)ブタをアナとペドロという人間に変成して、しばらくはボール遊びをしたり(ここも表現がすごくて、絵のボールと実際のボールとアクリル版のボールを行ったり来たりする)、歌をうたったり睦まじく暮らしていた
しかし、恐らく入り込んでた家?の食料が尽きたのか、飢えがはじまると、アナとペドロのヒソヒソ話に拠ればマリアが優先的にメシを食っているらしく、不公平だと
そしてまあ最終的に何が怖いかというと、ずーーっと「マリァ〜マリ〜ア〜」とキモボイスで語りかけてきていた教祖らしき声に屈してしまうというところ
やっぱりこう、無意識のレベルで全体主義的なモノというか、を内面化、内在化させてしまっているよなあ、というのはもう何年もずーっとテーマとして持ってて、岸田が唐突に防衛費あげま〜すなどとぬかしていたがオレは別に何もしなかったし、なんなら本当に台湾海峡や、朝鮮半島でドンパチはじまった時に非常時大権を委ねてしまうんじゃないだろうか?という空恐ろしさがある ....が、パンデミックを経て実はクニというのは実は本当にそこまで強権は持っていないんじゃないかという気もしなくはなかった、基本お願いベースで地方自治体でガンバ!みたいな 窮すれば鈍ずるとはよく言ったもので、余裕がある時はべき論というか、原理原則でーみたいなことを高らかに謳えるけど、行き詰まった時に「んなもんメシのタネにならんやろ」になる気しかしない
その片鱗として、年初からはじめた畑で、特に断りもなく基本男女で分かれて作業するのだが、一番最初はややオイオイという気持ちがあった
が、実際作業して大別すると男仕事はパワー系、女仕事は繊細系で適宜お互いフォローしたりする、みたいな感じで、自分は男の中でもそこそこガタイがいい方なので男仕事の方が役に立つというか、コスパがいいし、妻は女の中でも小柄な方なので女仕事をやった方が〜というような感じで肉体的にというかなんというか、肌感覚として理解させられる.....ということがあって、今となってはそんなになんともおもわないけど(それもどうなのかとおもわなくもないが)当時は「う〜ん、確かに原初的なコミューン(それこそディグニダ)のような暮らしをして、そのベースにキリスト教的な統一見解(それが土着の風習だとミッドサマー)もあったらそりゃあ数多の亜キリストカルトも誕生すらあなあ....」薄ら怖い気持ちになった 全く共感はできないんだけど、自民党の自称保守の連中が感情的に夫婦別姓や同性婚に反対してる源流ってこういうところにあるのかなとおもわなくもない Oxygen Not Included で、ONI の複製人間には性別という概念はないが、採掘得意な奴は外の仕事させに行くし、研究得意な奴は....ってやるけど、政治家が ONI の気分で国家運営をしているとしたら、俺たちのことを複製人間だとおもってるとしたら...... 全編スペイン語とドイツ語が行ったり来たりするのだが、途中声がいっぱいするシーンなんかは字幕が諦めてたりしたので、コレを原語でみれる人うらやましぃぃ〜〜〜となった